2015年7月1日水曜日

[ネズミのワルツ]制作回想録


2014/2/28
高円寺 円盤の田口さんより電話あり。
吉祥寺バウスシアターが閉館のため、それに合わせたテーマ曲を作ってほしいとのこと。
イメージがつかめないが、なんとなく面白そうなので引き受けることに。

田口さんはプロデューサーではなく仲介だったようで、
その後は当時バウスシアター勤務でミュージシャンでもある井出健介君とやり取りすることになったのです。
バウスシアター最後のイベントの動画に使用したい、ということでした。
録音物の納期が4月頭だったのかな。委嘱を受けることもなかったので、この辺のスピード感がなかなかわかりませんでした。
まあ1曲だし普通か…?!

オーダーは「The Bandのlast waltzみたいな曲」。長さは4分半前後、ほどよくストーリー感もあるとなおよし。
ストリングスのイメージの強い曲なので、管楽器が強いビオパタでは全く違う感触になるとは思っておりましたが
我らはまったく渋みの要素が無く(何故?)、切ないロマンティックな演奏にはなりにくいのです。
どうしても能天気な明るい音になってしまう。それが良さ、と言えば良さなのですが、今聴いてもやはりラストワルツとは程遠い。。

スタンダードなコード進行で作ろうと思い、珍しくピアノを使って作曲をし始めました。
不思議なもので3拍子ということとテンポ感だけでも決められていると、それほど苦労しないで曲ができてきました。

入れたかった要素は以下。
・くるくる回るイメージ
・転調
・マイナーの部分を作りたい
あと、いい曲といえば下降するベースッ!という事でG⇒G/F#⇒G/E⇒G/D⇒C#dim⇒A7⇒D
という箇所を入れてみたり。安易ですが、好きなのでしょうがないですね。。

メロディーに関してはちょっと苦労したかもしれません。
ラストワルツを聴いてみて、この感じはどうやって出すのだろう?と思ったときに
・メロディーの切り方(休符・スタッカート)
・高音部への飛び方
・半音階を使う
冒頭のAメロ部分などはそういうポイントを意識して無理に作った感じがあります。
なので、今でも自分の中から自然に出てきたフレーズではない感じがあります。

「自分の中から自然に出てきたフレーズ」と思うのはサビの部分。
主メロが不在で、すべてのパートが裏方に回った「全員裏メロ部分」だと思っています。
なので、自分が普段やってることと似通っている部分でもあります。


気に入ってる部分はいくつかあるのですが、Gmのマイナーパートがあって、Aに転調するつなぎの部分。
あとはエンディング。
ゆうきくんからはプログレみたいなコードとか言われましたが(?)ちょっと未来を感じるような音にしたかった。
A⇒A/G#⇒A/G⇒A/F#⇒FM7というFM7が未来!を表しています!!(?)
朽ちた建物の天井から空が見えるみたいなイメージです。
楽しかった場所から立ち去っても、またそんな場所を見つけようという前向きなイメージ。

いつもはすぐに決まらないはずのタイトルは、割にすぐ決まりました。
誰もいなくなった映画館でネズミが走り回るという風景、
人間がいなくなった映画館は、また違う意味で楽園なりうる、というような意味も含みつつ「ネズミのワルツ」としました。
(後で井出君に聞いたら、上映中に鼠がスクリーンの下を走っていたこともあったそうで…。)
生命力の強いネズミのことだから、バウスシアターがなくなってもどんな場所でも生きていける、と。

井出君にデモを送ったりして、まあ良いのではという話になったのですが、他にもネタを用意すればよかったと今反省しております…。


3/29
その日、吉祥寺で昼のライブがあり、終わった後どこかの練習スタジオで録ろうという事になっていたのですが
決めるのが遅い遠藤はスタジオの予約を取っていなかった。。。
井出君に別件で電話した際、駄目もとで「今日、バウスを使わせてもらえないか…」と言ったところ
なんと快諾!!
夜7時くらいからバウス1での録音が始まったのです。
広くてデッドな環境はビオパタにマッチしていたようで、柔らかい音の録音ができました。
マイク2本の一発どりでした(コンデンサーで全体、ダイナミックでチェロ、各音量は距離で調整)。
この時の録音はファーストミニアルバムになっています。

紆余曲折あって、結局はネズミのワルツはちょっとだけしか使われず、ヨイショヨイショと一緒に使われることになったのでした。
バウスシアターでもたくさんかけてもらい、閉館間近の映画館はビオパタの辛気臭さ皆無のハッピーミュージックが流れていました。

今だから言える反省点ですが…
短い映像に合わせるための曲、という制限があるので、
すぐにサビ(盛り上がるキャッチーな箇所)が来るというのがかなり重要だった気がしますが、
それは対応できませんでしたなー。。うーん。すみません。


5/21にはグレイトフルデッド上映前にライブもできて、最後の最後にバウスシアターに出入りさせてもらい
楽しい日々でした。

ビオパタは作曲・演奏の依頼を受け付けておりますよー。
意外と気軽にやります。

さて、吉祥寺バウスシアター跡地。本当にラウンドワンができるんでしょうか。うーむ。